Super Kowloon (1)

HMP3 の スーパー九龍(スーパー クーロン)というファズが気になる。

 

これは2つの回路をくっつけたファズで、前段は同じく HMP3 で紹介されている Super Edge 2、後段は以前に作ったことのあるハニー。
一度作ったことある部分が回路に含まれちゃってる、というのがあって無関心だった。
けれども Fuzz Factory 以降、どうも魅力的なファズに巡り合わない。

とりあえず KiCad に回路図を打ち込んでみる。

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"歪み歪め歪んでくれ(Fuzz研川崎出張所)" さんのページの回路図のPDFと比較してみた。
http://emusic.g.hatena.ne.jp/r0r0/20070318/1174230630

  • HMP3の回路図と比べてみると定数はほとんど同じ(C2とR4の定数がちょっと違うだけ)
  • ダイオードは HMP3 では「シリコンにしてみた」とだけあって型番はないが、PDFでは 1N4148 になっている
  • Q1 は HMP3 が 2SK30A に対してPDFでは 2SK117BL と異なる


"ガックラ.com" さんはダイオード2つを青色LEDに変更して好みの音にしているみたい。
http://gakkura.com/tag/superkowloon/

Q1 の違いについては、Super Edge 2 の製作記事の中でやはり "ガックラ.com" さんが書いていて、2SK117が良い感じらしい。
http://gakkura.com/nikki/super-edge-2-03/

データシートで IDSS 見てみると

  • 2SK30ATM-GR = 2.6~6.5
  • 2SK117-BL = 6.0~14.0

こういうの見ると 2SK117BL で作ってみたくなるなあ。

そして主役の MOS-FET は 2SK1132 (HMP3 では 2SK1825 も候補になってる)で、これが入手困難。

初段の 2SK117BL(DGS) はとりあえずソケットにしておいて 2SK30ATMGR(SGD) で作っておけばよいかな。
2SK1132(SDG) は何か良い代替品があればよいなと、BS170(DGS) とか 2N7000(SGD) とか見てみたが、どうなんだろこれ。

しかし真ん中が G じゃない FET ってソケットどうしとくのが良いのかな?

 

FSH-1 (9)

基板が完成して動作確認できたFSH-1をケースに納めることに。

今回は基板が大きめなのでTAKACHIのYM-130をチョイス。
アルミダイキャストのケースにも心が揺らいだけど、今回は軽いケースでいく。

穴開けが完了したの図。

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アルミが薄いので手回しドリルでもあまり力入れずに穴開けできて楽。

FSH-1は部品が多くて、いつものIN/OUT/DC/フットスイッチ/LEDに加えて、ツマミが5つにスイッチが2つ、と手回しドリルでの穴開けは苦行。

のはずだったが割りとあっさり作業完了できた。
ただしバリのケアは結構手間。

パネルをインクジェットで印刷して貼りつけたの図。

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貼り付けたパネルの穴開けをきれいにするにはどうしたらいいんだろうか。。。


そして部品を取り付け。
まずはトゥルーバイパス配線が出来たの図。

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絶縁のつもりで養生テープ貼ったが、もうちょっとなんか考えればよかったかな。

貧相すぎる。

今回は電池スナップはなし。

ケースに入らないので諦め。

基板をケースに納めたの図。

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モード切替スイッチはトグルスイッチからフットスイッチに付け替えた。
踏みかえられると便利かな、と思ったので。

基板は10mmスペーサーで浮かせてネジ止めなのだけど基板の穴の位置がまずい。
ナットを嵌めると抵抗の足に触れてしまうのだよな。
こいつは今度プラスチックのボルトとナットを買って来ようと思う。

縦も横もぎっちり詰め込んだけども、割と上手く収まった、かな。

パネル面側の図。

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あ、まだツマミを付けてないな。

今回、INPUTとOUTPUTと電源ジャックは上側に配置した。
これはまあスペースの関係とケースの形の都合、かな。

裏蓋を閉めての音出しもOKで、まあ完了。
プラスチックのボルトとナットは買ってこないと、だけど。

ここまで作ってから気付いたが、モード切替のLEDがあってもよかったかな。

FSH-1 (8)

FSH-1、可変抵抗器とトグルスイッチを買ってきた。

2Mの可変抵抗器が売ってなくて2、3軒ハシゴしてなんとか見つけた。

 

さあ配線するぞの準備は完了。

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熱収縮チューブも準備完了。

 

ポットとトグルスイッチの配線が出来たの図。

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基板に配線するのはいつも時間が掛かるのだけど、その配線をポットやスイッチに配線するのは割りと簡単にできる、というのは自分だけなのだろうか?

 

ソケットにICとトランジスタを付けたの図。

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これにて完成。

今回の部品のメモ。

  • OTAはJRC13600D、オペアンプはTL072CP、電源のICはLTC1144
  • FET(Q2、Q5、Q6)は2SK30A-Y
  • Q3は2N3906、ノイズ用のQ1は2N3904 4/1:2SC1815 に変更した
  • ダイオードは3つとも1N4001
  • 電解コンデンサはまあ普通のモノ、4.7uと10uのはニチコンFG
  • フィルムコンデンサもまあ普通のモノ、0.03u→0.033u、0.05u→0.047u
  • 抵抗は全部普通のカーボン1/4W
  • 半固定抵抗器の10Kの方だけ多回転型のモノ、100Kのは普通のモノ

 

一応、テスターで正しく電圧掛かってるかチェックしてから音出し。

あっさりとピラリラパラリラ~と鳴ってくれた。

 

S/Hモードは、まず100Kの半固定抵抗器を真ん中くらいにして音出しして、一番好みの音が出る所に合わせた。

10Kはわざわざ多回転型にしたのだけど、調節しなくてもよさげ。

それより、ノイズ用のQ1のコレクタ接続してる所をベース接続にした方がピラリラパラリラ~がより良く鳴ってくれる。

やっぱりE-CよりE-Bの方が効果的なようだ。

あの記事を見つけててよかった。


FSH-1 (6) - sutonpuブログ

知ってないとこんなことしようとは思わなかったし。

 

Filterモードは最初、Downの時に音が出ない感じだったのだけど、ポットの有効な所が狭いらしく、色々いじったら音が出るポイントが分かってきた。

Filterモードはオートワウだと聞いてたのだけど、オートワウというよりフィルターのよく効いたシンセベースみたいな音だなー、面白いねー、これ。

 

Filterモードの時に、S/Hのノイズが乗ってくるという話をよく読んだので覚悟してたのだけど、そういうことはなさそう。

特別、シールド線使ったりはしてないんだがなあ。

もっと大きな音で確認してみないといかんのかな?

FSH-1 (7)

配線がめんどくさくて放置してたFSH-1の続き。

 

そのめんどくさい基板からの配線を完了したの図。

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ポット用の配線がAWG26で11本。

up/downスイッチとモード切替スイッチがAWG26で10本。

IN/OUT/+9V/GNDがAWG22で4本。

合計25本。

これまでの工作で最多の配線数かもしれない。

 

配線の多さにまた「これホントに動くのか?」と不安になる。

 

残るはポット5つ、スイッチ2つのハンダ付け。

なのだけど疲れたので今日はここまで。

FSH-1 (6)

ググってたら見つけた面白い興味深いHPのメモ。

サンプル&ホールドのノイズ生成部分のトランジスタについて。

 

Maestro FSH-1 aka Madbean Sharkfin - AQUATAUR Productions

"Fixing The Noise Generator" の所で、ノイズ生成部分のトランジスタについて書いてある。
Tonepadの回路図で言う所のQ1、ベースを開放にしてるけど、そうじゃなくてコレクタを開放にしてベース-エミッタに逆電圧かけるべきなんじゃないの?と。
回路図通りだとノイズ発生が少ない(弱い)ってことのようだ。

少しずつエフェクタを作るページを作るWiki - Maestro FSH

"ノイズジェネレータ部 " の所。
ノイズ生成部分のトランジスタで色んなパターンを試しておられるけど、ほとんどのパターンがベース-エミッタ。
元の回路図に該当するのは 2. 2N3904(C-E) だけど、これが一番弱いということ。かな?
合わせて+9Vとエミッタの間の抵抗器も元の回路図の100Kから変更して試してみておられるなあ。
2N3904でE-Bなら、100Kでは発振してしまうっぽいので3.3Mにすると良好、なのかな?
2SC828がベストっぽいけどそんなの手に入るのかな?

 

(4/1追記)

フリストでもベースを繋いでコレクタを浮かすのお勧め、と言ってるのを見つけた。

freestompboxes.org • View topic - Maestro FSH-1 / Oberheim VCF / Tonepad Filter/Sample/Hold

 

FSH-1 (5)

フィルムコンデンサ電解コンデンサダイオードと10Kの半固定抵抗器を付けたの図。

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電源の所の220uの電解コンデンサ4つ、想像してたよりギチギチだった。

フィルムも大きい容量のは結構場所取るよなあ。

箱型のメタライズドフィルムにすればよかっただろうか?

 

次は大量の配線をしないといけないので、今日はここまで。

 

しかしこの基板、作り進めば作り進むほどうまく音が出るのか不安になってくる。

なんせ部品が多いので、どこか間違えてないか?と。

一応テスターでチェックしながら作ってはいるんだけども。

FSH-1 (4)

放置してたFSH-1を作ってみることに。

 

プリント基板をエッチングして穴開けまでして半年以上ほったらかしてた。。。

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トナーを落としてテスターでショートしてないかチェックしてフラックス塗った。

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ジャンパー付けたの図。

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平置きの抵抗器を付けたの図。

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ICとトランジスタのソケット、立て置きの抵抗器、100Kの半固定抵抗器を付けたの図。

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残るはダイオードとフィルムコンデンサ電解コンデンサと10Kの半固定抵抗器かな。

さすがに部品が多い。

なので今日はここまで。

アイロン転写で次に製作予定のプリント基板を作る

最近は如何に上手くアイロン転写できるかがエフェクター作りそのものより大事になってきており本末転倒気味。

ではあるけど、ちょっと試しに作ってみたいのがあるのでプリント基板作る。

 

パターンは余白を最少にして切り抜く。

プリント基板も必要なサイズにカットして洗剤と紙ヤスリで磨く。

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水で薄っすら湿らせて基板に貼り付ける。

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アイロンで、入念に入念に入念に、熱転写。

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自分は熱転写してから1~2日は放置するようにしてる。

熱転写してすぐに紙を剥がしにかかるとパターンも取れやすいような気がして。

ただこの辺は定かではないなー。

 

熱転写できたので今度は紙を剥がすため水で濡らす。

紙が浮き上がってくるまで10分くらい浸しておいた。

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水につけながら紙のクズを指の腹でこすりとったり、消しゴムをやさしく掛けたり。

 

乾かしてもパターンの隙間に紙が白く残らないように何度か消しゴム。

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ここであんまりゴシゴシ掛けるとせっかくのトナーが薄くなってしまうので要注意。

しかし、パターンの隙間に白いクズを残すとエッチングでうまく溶けてくれない。

微妙な匙加減が必要とされる工程だな。

まあ、トナーがごってり載っていて消しゴムごしごし掛けても薄れないのが理想だが。

残念ながらトナーをぎっちり盛ってくれるレーザープリンター環境に恵まれていない。

 

エッチング

パターンの隙間の紙の残りクズを消しゴムし切れてなかったようで、溶かしきれなかった部分が多少あるなあ。

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こういうところはカッターで削り取る。

 

ドリルで穴開け。今回のは比較的穴開け数が少ないと思う。

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トナーを落とすためにベンジンに10分程浸す。

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トナーが柔らかくなった所で、紙ヤスリをベンジンに浸しつつ磨く。

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テスターでショートしてないかチェックした後にフラックスを塗って完成。

 

毎度の事ながらトナーが薄かった所は銅の面がちょっと薄くなってしまっていて残念。

マッキーで手描きの時は薄れることはなかったのだがな。

しかしこの方法は手描きに比べてパターンがきれいに出るからなー。

もうマッキーで手描きには戻れないよなー。

04 Compressor

ROLLYと作るギターエフェクター』から Compressor を作ってみた。

 

本によるとこいつはダイナコンプに近い回路形式とのこと。

ダイナコンプはOTAのCA3080で作られてるけど、それを使わないで作ったらこうなるというものらしい。

 

いつものようにユニバーサル基板では作らない。(作れない)

なので、まずはいつものようにKiCadに回路図打ち込む。

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出来上がりはこんな感じになるはず。

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ポットの配線を基板の下側にまとめてみた。

 

今回の部品はこんな感じ。

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  • オペアンプはJRC4558D
  • FETは2SK30ATM-GR
  • 1μFのフィルム指定のは積層セラミック
  • 2200pFはフィルムにしたけど書籍の写真だとセラミックみたい
  • 電解コンデンサは店にあったちょっと小さい奴にしてみた

 

プリント基板はいつものように自作。(5cm × 4cm)

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せっかくだから ギター エフェクター基板 | dcamp.biz で買ってみればよかったかもしれない。

 

まずはジャンパ線を取り付ける。

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ジャンパ線を取り付けたの図。

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次に部品を取り付ける。

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部品を取り付けたの図。

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配線完了の図。

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ソケットに部品を取り付けて完成。

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音出しは問題なくできて、基板上の半固定抵抗器はちょっと右回し気味で調整。

 

しばらく弾いてみてツマミ回してみて気付いたのだが、Decayが逆に効いてる。

と思ったら「お詫びと訂正」に書いてた。

更に気付いたのだが、Sustainも逆なんではないだろか?

右に回すほどにSustainのレベルが下がるのだが。。。

こちらは訂正なし。私が間違ってる?

 

まあ分かって使う分には問題ない。

極端にDecayを短くしてSustainを絞るとパッーンという極端な感じでかかる。

ただこういうセッティングにすると音が汚く歪む。

効果が良く分かって面白いんだけど弾いてて気分が良くない。

DecayゆったりSustainそこそこの12時セッティングが一番きれいな音で使える。

割と基板上の半固定抵抗器の調整がシビアなようである。

 

なるほどなるほど。

『ROLLYと作るギターエフェクター』

ROLLYと作るギターエフェクター』って本を買った。

誠文堂新光社/商品詳細 ROLLYと作るギターエフェクター


監修がROLLY、設計が渡辺成治、製作が伊藤尚未、でお三人さんが書籍内で写真付きで紹介されてる。
設計者と製作者がカラーで紹介されるのは珍しい、かな?

本の雰囲気は電子工作の色が濃く感じられて好きだなー。
回路図がちゃんとあって、実装図のイラストがとても写実的で、配線図も見易くて親切。
工作の仕方や部品についての説明なんかも書かれていて電子工作本としての作りがとても丁寧。

10種類のエフェクターの製作記事を紹介してる。
10個全てを演奏してみたROLLYの感想が書かれてるのも面白い。
ROLLYエフェクターの自作をしたことがあるんだねー。
そういえばタモリ倶楽部のファズを作る回に出演してたなー。

この本、特設サイトがあって、ここでケース表面に貼るラベルのPDFを配布している。


「ROLLYと作るギターエフェクター」特設サイト|誠文堂新光社


また書籍の訂正もこの特設サイトにまとめられている。
(下の方の「書籍に関するお詫びと訂正(2014/06/27更新)」)

http://www.seibundo-shinkosha.net/pickup/effector/owabi.php


この書籍はユニバーサル基板で製作してるが、巻末にプリント基板のパターンも掲載してる。
更にこの書籍の基板の販売をしている所もある。

ギター エフェクター基板 | dcamp.biz



良い本だと思うのだけど、この本のエフェクターを作った人のブログをあまり見かけないなー。

最初に見つけたのはChuckさんで01のBooster。
前述の販売されている基板を使ってて、回路の解説やオシロスコープでの計測までしてる。面白い。

ブースタ - 『ROLLYと作るギターエフェクター』を作るブログ


次に見つけたのはrs6000さんで01のBooster。
rs6000さんはROLLY本の製作方法までも忠実に再現してて面白い。
ユニバーサル基板にコピーしたレイアウトを貼り付けて実装後に剥ぎ取るとか、基板を裏蓋にネジ止めするとか。

自作痛エフェクター 潮☆ぶーすたー (艦隊これくしょん 〜艦これ〜/綾波型 10番艦 駆逐艦 潮/Guitar Booster) : rs6000の日記

 

という感じで01ブースター以外には「作ったー」というのを見かけないので、自分もこの書籍の中から一つ作ってみようかなー。

 

追伸、他にも製作してる人がいた。

 

このmixiユーザーさんはユニバーサル基板でディストーションを作ってる。

書籍の間違いにも翻弄されて苦労してる。

[mixi]ROLLYのディストーションを作る。 - エフェクター作成はじめました。 | mixiコミュニティ

 

こちらの方はなんと10種類全部作ってるみたい。

前述の販売されている基板で作っている。

テーマ「工作」のブログ記事一覧 気ままな備忘録 /ウェブリブログ