OC-2 (1)
オクターバーのOC-2を作ってみた。
参考にしたのはこちらのサイト Sabro Tone の回路図。
Request: Boss OC-2 Octaver | SabroTone
で、2点ほど改造というか変更をした。
変更1:4027の7番ピンの+9V接続を、GND接続に変更。
4027はOCT2用で、オリジナルのBA634の代わりにT型フリップフロップとして使われてる。
T型フリップフロップは、J-KフリップフロップのJとKを1にすればよいらしい。
4027でJ-Kモードにするには、RESETとSETを"L"(=0)にしてクロックパルスを立ち上げる、とデータシートにある。
ということは、RESET(4pin)とSET(7pin)をGND()=0、J(6pin)とK(5pin)を+9V(=1)、と接続するはず。
なのだけど、Sabro Toneの回路図では7pinが+9Vに接続されている。
4027を使った回路図の元ネタのStellan Lehrberg氏の回路図でもそうなってる。
http://hem.fyristorg.com/effects/oct-2.gif
最初気付かずにこの通り作ってたら、4027のQ(1pin)から聞こえるはずの2オクターブ下の音が出てこなかった。
7pinをGNDに接続するとこれが聞こえるようになったので、修正することにした。
変更2:2つのFETのDをBIAS接続してるのを、SをBIAS接続するよう変更。
Sabro Toneの回路図はDをBIASに接続するよう明記されてる。
ただ、VEROのレイアウトをよくよく見てみるとSがBIASに接続されてる。
で、Update (28.05.2011)のコメントを見ると、FETの挿す方向間違ってたのでひっくり返したとある。
オリジナルはどっち向きなんだろうとこちらを見てみた。
Boss OC-2 Dual Octave Down Guitar Pedal Schematic Diagram
回路図にはSとDは明記されてないので、下の方にあるレイアウトを追っかけてみると、Q7はDが、Q8はSが、BIASに接続されてる。。。
こちらも最初はSabro Toneの回路図の通り作ってたのだけど、イマイチ安定したエフェクト音が出なかった。
FETを2つともひっくり返してみるとエフェクト音が良くなったので修正することにした。
Sabro Tone のは回路図とVEROレイアウトだけなので、プリント基板は自分でレイアウト作成した。
いつものようにKiCadに回路図打ち込む。
苦労の末に完成させたレイアウトはこんな感じ。
ジャンパが多い。11本ある。
基板上の部品はこんな感じ。
部品は今回は特殊なのは一つもなくてあっさり入手できた。
- 抵抗器は全部普通の奴。
- コンデンサは小さい3つがセラミックであとは普通のフィルム。
- 電解コンデンサは100uと220uの大きい2つは普通の耐圧25Vの奴。
- それ以外の電解コンデンサは全部MUSEのBP。
- Geダイオードは1N34A。
- Siダイオードは1N914。
- FETは2SK30ATM-Yで、出力手前のトランジスタは2N3904。
- ICはTL074、LM324、TL072、4013、4027。
結果的にはどこも間違えずに作れていたのだけど、前述の2つの変更点に対応するまで、エフェクト音がイマイチ出なくて、テスター当てたり信号追っかけたりと不良原因を追究するのにかなり時間を取られてしまった。
というか心が折れかけた。
作り間違えたんじゃないか、と。
あ、これはFETをひっくり返す前の写真だな。
出音なのだけど、1オクターブ、2オクターブ下の音が付くだけなのに面白い。
ベースとユニゾンしてる感じ。
ただエフェクト音は不安定というかブチブチ切れるというか、そんな感じ。
きっちりピッキングして、スタッカートだときれいに出る感じ、かな。
OCT2は使わないからいらない、という人もいるようだけど、2オクターブ下の音が付くと厚みが増して気持ちいい。
ただエフェクト音の不安定さはOCT1以上で、いらないと言う人の気持ちも分からないではない。
この辺りがアナログのオクターバーとしての限界なのかな。
まあまあ音が出てるのでいいかなと思ってるのだが、自分は実機を触ったことが無い。
youtubeで実演を聞くこともできるが、出音が低音過ぎてイマイチよく聞こえないので、自作のこいつの出来が良いのかどうかはよく分かっていない。
どうなんだろうか。